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2026.07.07

スタッフブログ

添削現場でよく見る「残念な志望理由書」3つのパターン——あなたの初稿は大丈夫?

夏になると、生徒が学校の宿題として書いた志望理由書の初稿を持ってきてくれることが増えます。本人なりに時間をかけて書いたことが伝わってくる原稿ばかりです。

ただ、正直にお伝えすると、初稿の段階で「このままでは評価されない」書類には、はっきりとした共通パターンがあります。しかも本人は、そのパターンに陥っていることにほぼ気づいていません。

今回は、添削の現場で毎年繰り返し目にする「残念な志望理由書」の代表的な3パターンをご紹介します。読みながら、ご自身の初稿(またはお子さまの初稿)と照らし合わせてみてください。

そもそも、大学は志望理由書の「何を」見ているのか

具体的なNGパターンに入る前に、前提を1つだけ。

志望理由書は「入りたい気持ちの強さ」を測る書類ではありません。大学が見ているのは、「この生徒は、自分のことと本学のことを、どれだけ深く考えたか」です。

熱意は、量では伝わりません。「絶対に入りたいです」と10回書いても評価は変わらない。考えた深さだけが、文章ににじみ出ます。

これを踏まえて、3つのパターンを見ていきましょう。

パターン1:アドミッションポリシーをそのまま引用してしまう

最も多いのがこれです。

貴学のアドミッションポリシーにある「主体的に学び、社会に貢献する人材」という言葉に深く共感し、私もそのような人材になりたいと考え、志望しました。

一見、大学のことをよく調べているように見えますよね。しかし、採点する大学教員の立場で考えてみてください。アドミッションポリシーは、大学が自分で書いた文章です。 それを引用されても、「大学のサイトやパンフレットを読んだこと」しか伝わりません。

しかも、この書き方をする受験生は毎年大量にいます。何百枚と書類を読む審査側にとって、ポリシーの引用から始まる志望理由書は「またこのパターンか」と読み流される筆頭です。

アドミッションポリシーは引用するものではなく、自分の経験と接続するための照合表として使うもの。ただ、その「接続」の作業こそが自己分析であり、志望理由書づくりで一番難しい部分です。

パターン2:どの大学にも当てはまることを書いてしまう

2つ目のパターンは、こんな文章です。

「貴学は充実したカリキュラムと最先端の研究環境が整っており、また少人数教育により学生一人ひとりに手厚い指導が受けられる点に魅力を感じました。」

この文章、実は大学名を入れ替えても成立してしまいます。「充実したカリキュラム」「最先端の研究環境」「少人数教育」——どれも多くの大学のパンフレットに書いてある言葉です。

審査側はこう受け取ります。「この生徒は、本学でなければならない理由を持っていない」。総合型選抜・学校推薦型選抜は「なぜこの大学か」を問う入試ですから、これは致命的です。

見分け方は簡単で、書き上げた初稿の大学名を別の大学に置き換えてみること。それでも文章が成立するなら、そこには「あなたとその大学の関係」がまだ書かれていません。

ではどうすれば「その大学でなければならない理由」が見つかるのか。カリキュラムの中身、ゼミや実習の構成、卒業生の進路——調べる場所はいくつもありますが、どこを調べれば「自分の目標」と繋がる材料が出てくるかは、生徒一人ひとりの志望分野と経験によってまったく違います。 ここが独学の壁になりやすいポイントです。

パターン3:読んでもいないのに教授の名前を出してしまう

3つ目は、少し「対策慣れ」した生徒に多いパターンです。

「貴学の〇〇教授の研究に感銘を受け、教授のもとで学びたいと考えています。」

教授名を出すこと自体は悪くありません。問題は、その教授の本や論文を実際には読んでいないケースが非常に多いことです。大学のサイトで名前と研究テーマだけ調べて書いている。

これが危険な理由は、書類ではなく面接にあります。面接官が当の教授本人、あるいは同じ学部の教員である可能性は十分にあります。「私の論文のどこに感銘を受けましたか?」と聞かれた瞬間に、書類全体の信頼が崩れます。1カ所の「盛り」が、他の正直に書いた部分まで疑わせてしまうのです。

実際、書類に名前を出した教授が面接官になったケースもあります。この生徒は本当にその教授の下で学びたいと考えており、本や論文などを相当読み込んでいました。その結果、何を聞かれてもしっかり答えることができ、無事に合格しました。

志望理由書は出願して終わりではなく、面接で深掘りされる前提の書類。書いたことすべてに、自分の言葉で答えられる裏付けが必要です。

3つのパターンに共通する、たった1つの原因

ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。3つのパターンの原因は、実はすべて同じです。

「大学のこと」を書こうとして、「自分のこと」が書けていない。

アドミッションポリシーの引用も、パンフレット的な誉め言葉も、教授名の借用も、すべて「大学側の情報」で文字数を埋めようとした結果です。自分の経験・考え・目標という素材が掘り起こせていないことが原因です。

そして厄介なのは、自分の素材は自分一人では掘り起こしにくいということです。本人にとっては「当たり前の日常」だった部活動や探究学習の中に、審査側が評価する原石が眠っていることはよくあります。それに気づけるのは、たいてい第三者から「それ、もっと詳しく聞かせて」と問われたときです。

私たちが添削だけでなく週1回のカウンセリングに時間をかけているのは、これが理由です。赤ペンで直せるのは表現まで。中身は、対話でしか引き出せません。(AIC推薦アカデミーの指導方針は「鷗州塾AIC推薦アカデミーの強み」でも詳しくご紹介しています)

まとめ:初稿が「残念」なのは当たり前。問題はこの後の直し方

今回ご紹介した3パターンをまとめます。

  • アドミッションポリシーの引用は「サイトを読んだこと」しか伝えない
  • 大学名を入れ替えても成立する文章には「あなたとその大学の関係」がない
  • 読んでいない教授名を出すと、面接で書類全体の信頼が崩れる

誤解しないでいただきたいのですが、初稿がこのどれかに当てはまっていても、落ち込む必要はまったくありません。ほとんどの受験生の初稿はここから始まります。 合格した先輩たちとの違いは、初稿の出来ではなく、そこから何回、どう書き直したかです。

ただし、夏スタートの受験生に残された書き直しの時間は限られています(出願までの逆算スケジュールは「【高3の夏スタート】夏にやるべき5つの対策」をご覧ください)。自分の初稿がどのパターンに当てはまるのか、どこから手を付けるべきか、一度プロの目で診断を受けてみませんか。

AIC推薦アカデミーでは、専門のカウンセラーがお書きになった初稿を拝見し、現状と志望校に合わせた進め方をご提案しています。

志望理由書の書き直しを一から伴走する「夏からコース」も開講します。まずはお気軽にご相談ください。

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