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2026.07.15

スタッフブログ

指定校推薦と公募推薦、どっちを選ぶ?——「受かりやすさ」だけで決めると後悔する理由

夏前後になると、多くの高校で指定校推薦の一覧が生徒に示されます。この時期のカウンセリングで増えるのが、こんな相談です。

「一覧に行けそうな大学があったんですが、第一志望とは違うんです。確実に受かる指定校にするか、公募や総合型で第一志望に挑戦するか、迷っています」

本人だけでなく、保護者さまが「せっかくの指定校を逃すのはもったいないのでは」と迷われているケースも少なくありません。

この選択に万人共通の正解はありません。ただ、「受かりやすいから」という理由だけで決めた生徒が、後から迷いを引きずるケースは、毎年のように見てきました。今回は、指定校推薦と公募推薦・総合型選抜を比べるときの判断軸を整理します。

まず整理:指定校・公募・総合型は何が違うのか

言葉が似ていて混同しやすいので、位置関係を先に確認します。

学校推薦型選抜には「指定校制」と「公募制」の2種類があります。指定校制は、大学が特定の高校に枠を割り当てる方式で、校内選考を通れば合格の可能性が非常に高いのが特徴です。公募制は、評定平均などの条件を満たせばどの高校からでも出願でき、大学での選考(書類・小論文・面接など)で合否が決まります。国公立大学の推薦の多くはこの公募制です。

総合型選抜は高校からの推薦を前提とせず、自分の意思で出願する方式です。志望理由書や面接を通して、意欲・適性・将来性が総合的に評価されます。

つまり「受かりやすさ」の順に並べれば、指定校が最も確実です。だからこそ迷いが生まれるのですが、この3つは受かりやすさ以外の部分が大きく違います。

判断軸1:その大学・学部は「行きたい場所」か「行ける場所」か

最初に確認すべきは、これです。

指定校の一覧を見るとき、多くの生徒は無意識に「この評定で行ける一番いい大学はどこか」という見方をします。しかし、指定校推薦は原則として合格したら必ず入学する専願です。辞退は基本的にできず、後輩への枠にも影響します。「行ける場所」を選ぶということは、「行きたい場所」への挑戦権を手放すことと引き換えなのです。

チェックの方法はシンプルです。指定校の一覧を見る前から、その大学・学部に興味があったか。 一覧で初めて名前を意識した大学なら、少なくとも「行きたい場所」だったとは言えません。その場合は、学部で学べる内容を調べるところから始めてください(大学・学部の調べ方は「偏差値以外の視点」の記事が参考になります)。

逆に、第一志望として考えていた大学・学部の指定校が取れるなら、保護者さまも賛同しているという前提で、取ることをおすすめします。 行きたい場所に確実性の高いルートがあるのに使わない理由はありません。指定校推薦は「逃げ」ではなく、正当な入試方式です。迷いが生まれるのは、あくまで一覧の大学が第一志望と違う場合です。

判断軸2:4年間・その先まで含めて納得できるか

「受かりやすさ」は出願から合格までの数か月の話ですが、進学先は4年間、その後の進路まで含めた選択です。

指定校で「行ける大学」に進んだ場合に起きがちなのが、入学後のミスマッチです。学びたい内容と学部の中身がずれていた、というケースは想像しやすいと思いますが、意外に多いのが「第一志望に挑戦しなかった」こと自体への後悔です。合格・不合格という結果以前に、挑戦したかどうかは本人の中に残り続けます。

一方で、指定校を選ぶことが前向きな決断になるケースももちろんあります。学部の内容に納得している、早く進路を決めて資格の勉強や英語に時間を使いたい、家庭の事情で確実性を優先したい——理由が「受かりやすいから」以外にあるなら、指定校は合理的な選択です。

判断の分かれ目は、「なぜその大学に行くのか」を自分の言葉で説明できるかどうか。これは奇しくも、公募や総合型の志望理由書で問われることと同じです。

判断軸3:校内選考に通らなかった場合の道筋があるか

見落とされがちですが、実務上はここが一番重要です。

指定校推薦は、校内選考に通れば合格の可能性が非常に高い一方、校内選考自体は落ちることがあります。 希望者が重なれば、評定平均などで比較されます。多くの高校では夏休み明け前後に意思表示、その後に校内選考という流れが一般的ですが、時期も基準も高校によって異なるので、必ず自分の高校の進路指導部に確認してください。

問題は、校内選考に落ちてから「では公募か総合型で」と動き出しても、時間がほとんど残っていないことです。総合型選抜の出願は9月〜10月頭。志望理由書をゼロから書く時間はありません(出願までの逆算は夏スタートの記事をご覧ください)。

だからこそ、指定校を第一希望にする場合でも、「校内選考に通らなかったら、どの方式でどこを受けるか」を夏のうちに決めておく必要があります。そして皮肉なことに、その備えとは結局、自己分析と志望理由書の準備なのです。指定校に通ればその準備は無駄になる——のではなく、指定校でも大学によっては面接や小論文が課されることがありますし、入学前に志望理由を言語化した経験は入学後の学びにも必ず活きます。

迷っている状態そのものが、実は材料不足のサイン

3つの判断軸を見てきましたが、それでも「決められない」という人へ。

指定校か、公募・総合型かで迷い続けるのは、性格の問題ではなく、判断材料が足りていないことがほとんどです。第一志望への熱意がどれくらい本物か、自分でも測れていない。指定校先の学部で何が学べるか、実は詳しく調べていない。校内選考の見通しや、落ちた場合の選択肢を整理できていない——材料が揃わないまま「もったいない」と「挑戦したい」の間で揺れている状態です。

この整理は、利害のない第三者と話すのが一番早く進みます。AIC推薦アカデミーのカウンセリングでは、指定校を使うかどうかの相談もお受けしています。第一志望の指定校が取れる状況なら「取りましょう」とはっきりお伝えしますし、状況が複雑なら、材料を一緒に揃えたうえで本人が納得して決められるよう整理をお手伝いします。塾の都合で特定の方式に誘導することはありません。どの方式を選んでも後悔しないためには、納得して決めることがすべてだからです。

まとめ:指定校は「逃げ」でも「正解」でもなく、選択肢の1つ

  • 指定校は確実性が高い分、原則専願。「行ける場所」と「行きたい場所」を区別する
  • 第一志望の指定校が取れるなら、保護者さまの賛同を前提に取るのがおすすめ
  • 受かりやすさ以外の理由を自分の言葉で言えるなら、指定校は合理的な選択
  • 校内選考に落ちる可能性を前提に、公募・総合型の準備は並行して進める
  • 迷いが続くのは判断材料の不足。夏のうちに材料を揃えて決める

指定校推薦の制度そのものの詳しいメリット・注意点は、既存の記事(「指定校推薦のメリット・注意点」)もあわせてご覧ください。

「うちの場合はどうすればいいのか」という個別の状況——評定、指定校の一覧の中身、第一志望との距離——を踏まえたご相談は、カウンセリングで承ります。校内選考の意思表示までに残された時間は、思っているより短いです。迷っている方は、お早めにご相談ください。

どの方式で進めるにしても、この夏の準備を後押しする「夏からコース」を開講します。詳細はお問い合わせの際にご案内します。

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