評定平均は「高3になってから」では手遅れ——高1・高2の定期テストがすでに入試本番である理由
1学期の成績表が返ってくるこの時期、高3生のカウンセリングで毎年のように聞く後悔があります。
「高1のとき、推薦を使うなんて思ってなかったので、定期テストを適当にやっていました。あのときの成績が、今になって効いてくるとは……」
推薦入試の出願条件によく登場する「評定平均」。実はこの数字、高3になってから頑張っても、ほとんど動かせません。仕組み上、高1・高2の定期テストの時点で、勝負の大半が終わっているからです。
今回は、高1・高2の皆さんと保護者さまに向けて、評定平均の仕組みと、今の学年だからこそできることをお伝えします。
評定平均は「高1の1学期」から数え始めている
まず仕組みの確認です。
評定平均(正式には「学習成績の状況」)は、高1の1学期から高3の1学期までの、全科目の5段階評定の平均です。多くの大学の学校推薦型選抜で「評定平均4.3以上」のような出願基準として使われ、総合型選抜でも基準を設ける大学があります。指定校推薦の校内選考では、事実上の最重要指標です。
ポイントは2つあります。1つは、受験学年になる前の成績が3分の2以上を占めること。もう1つは、主要5教科だけでなく、副教科も全科目が同じ重みで計算されることです。「受験に使わない科目だから」と手を抜いた副教科の3が、数学の5と打ち消し合います。
なぜ「高3から挽回」がほぼ不可能なのか
「高3で頑張って取り返せばいい」と考えたくなりますが、平均の算数がそれを許しません。
簡単な例で見てみましょう。高1・高2の2年間の評定平均が3.5だった生徒が、出願基準4.0の大学を目指すとします。評定平均に算入されるのは高3の1学期まで。残されたわずかな期間で仮にオール5を取ったとしても、2年分の3.5を薄めるには全く足りず、平均は3.8前後までしか上がりません。
逆に言えば、高1・高2のうちは1回1回の定期テストで平均を動かせる余地が大きいということです。同じ「オール5を1学期分」でも、高1で取るのと高3で取るのとでは、最終的な評定平均への影響がまるで違います。
つまり、評定平均という入試科目だけは、試験日が「毎回の定期テスト」に分割されて、もう始まっているのです。高1・高2の中間・期末は、模試ではなく本番です。
よくある勘違い:「評定が足りない=推薦は無理」ではない
ここまで読んで、「もう高2だし、今の評定だと厳しいかも」と感じた人もいるかもしれません。そこで大切な補足です。
評定平均が基準に届かない場合でも、推薦系の入試すべてが閉ざされるわけではありません。総合型選抜には、評定基準を設けていない大学・学部が数多くあります。 そうした入試では、評定の代わりに志望理由書・小論文・面接、そして英語資格や活動実績が評価の中心になります。
方式ごとの違いは以下の記事をご確認ください。
総合型選抜で逆転合格は可能?低評定・E判定から志望校を勝ち取る戦略
学校推薦型選抜の仕組みと対策|チャンスを広げて現役合格を確実にする方法
指定校推薦のメリット・注意点
ただし、これは「評定を捨てていい」という意味ではありません。評定が高ければ選べる入試方式が増え、指定校という強力な選択肢も視野に入ります。評定はいわば、高1・高2の間だけ積み立てられる「選択肢の貯金」です。将来どの方式を選ぶにしても、貯金は多いに越したことはありません。
高1・高2の今からできる、評定「以外」の積み立て
もう1つ、高1・高2の時期にしかできない準備があります。評定と並んで推薦入試の武器になる、資格と書く力です。
英語資格(英検®など)は、出願条件や加点対象にしている大学が年々増えています。ここで重要なのが受験のタイミングです。高3になると出願準備や教科学習で手一杯になり、英検に割ける時間がなくなります。実質的なリミットは高3の1学期まで、余裕を持つなら高2のうちに目標級を取り切るのが理想です。これも評定と同じで、「高3からでは間に合いにくい」種目です。
総合型選抜や学校推薦型選抜だけでなく、一般選抜でも英語資格が活用できることは増えています。持っておいて損になることはありません。
小論文・文章力も、短期間では伸びない力の代表です。高3の夏に初めて小論文を書く受験生と、高1・高2から自分の意見を文章にする練習を重ねてきた受験生では、スタートラインがまったく違います。日頃から意見論述の練習をしておくことは、小論文だけでなく志望理由書にもそのまま活きてきます。
高3からの対策でも問題ありませんが、少しでも余裕を持たせる場合は早期からの取り組みを推奨します。
評定・英語資格・書く力。この3つに共通するのは、積み立て型で、直前の一夜漬けが効かないことです。高3の夏に慌てる先輩たちを毎年見ているからこそ、高1・高2の皆さんには「時間がある」ことの価値を知っておいてほしいのです。
まとめ:高1・高2の「今」が、一番挽回しやすい
- 評定平均は高1の1学期から高3の1学期まで。高1・高2の成績が3分の2以上を占める
- 全科目が同じ重み。副教科の手抜きは主要教科の5を打ち消す
- 高3からの挽回は算数的にほぼ不可能。逆に今なら1回のテストで動かせる
- 評定が足りなくても総合型選抜という道はある。ただし評定は「選択肢の貯金」
- 英語資格と書く力も、高1・高2にしか積み立てられない
「推薦を使うかまだ分からない」という人ほど、評定・英検・書く力の積み立てだけは始めておいてください。使うかどうかは高3で決められますが、積み立ては高3からでは始められません。
AIC推薦アカデミーには、高1・高2から受講できる講座があります。出願条件で求められることの多い英語資格に備える英語資格対策講座、意見論述の練習を積み重ねるAI小論文講座——いずれも「高3になってからでは間に合いにくい力」を、時間のある今のうちに育てるための講座です。「うちの子の評定で、どんな入試方式が視野に入るのか」といった保護者さまからのご相談もお受けしています。
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