指定校推薦のメリット・注意点
梅雨入りしたかと思ったら、雨が降らず真夏日が続いています。
来週は雨模様になるらしいので、蒸し暑くなりそうです。
今回は、指定校推薦についてです。
「去年◯◯大学の指定校があって、部活の先輩が進学した」
「評定が足りてるなら指定校推薦で楽に行ける?」
そんな声が聞こえる季節になってきました。
高校の先生から「指定校推薦も考えてみたら?」と勧められたものの、よくわからないまま話が進んでしまっているという人も少なくありません。
この記事では、指定校推薦の仕組み・メリット・注意点・合格後の心構えまで解説します。
指定校を使うべきかどうか迷っている人も、ぜひ参考にしてください。
指定校推薦とは?
指定校推薦とは、大学が特定の高校(指定校)に推薦枠を出し、成績や人物を評価して生徒を受け入れる制度です。
簡単に言えば、「この高校の生徒なら安心して入学させられる」と大学が判断した上で、学校の推薦を条件に合格を出す特別ルートです。
特徴:
- 評定平均やその他資格の条件あり
- 学校内での選考あり(複数希望者がいる場合)
- 小論文や面接、書類選考が中心(学力試験なしが基本)
- 合格後の辞退は不可
このように、「推薦してもらえればほぼ確実に合格」という安心感がある一方で、注意すべき点も多い制度です。
総合型・公募推薦との違いは?
推薦入試には、他にも**総合型選抜(旧AO)や公募推薦(学校推薦型選抜)**があります。
それぞれの違いを簡単に整理しておきましょう。
区分 | 対象者・条件 | 選考内容 | 合格率 |
---|---|---|---|
指定校推薦 | 高校ごとに割り当て | 小論文・面接等 | ほぼ100% |
公募推薦 | 全国の高校生が対象 | 小論文・面接等 | 大学による |
総合型選抜 | 自己推薦・活動重視 | 小論文・面接等 | 大学による |
選考内容は、方式によって違いはあるものの多くは「小論文+面接」です。
指定校推薦は「高校から推薦を受ける」という前提があるため、最も確実性の高いルートです。
ただし、大学の選択肢が限られることや、ライバルに選ばれなかったときのショックも考慮しましょう。
指定校推薦のメリット
1. 合格率が非常に高い
一度推薦を受けられれば、ほぼ100%に近い確率で合格します。
これは一般入試や他の推薦とは比べ物にならないほどの安心材料です。
2. 学力試験が基本的に不要
ほとんどの指定校推薦では、学力試験が免除され、面接と書類や小論文で選考が行われます。
3. 早期に進路が確定する
9〜11月頃には合格が決まるため、早めに受験のプレッシャーから解放されるのも大きな利点。
将来に向けた準備に時間を使えます。
指定校推薦の注意点・デメリット
1. 一度出願したら辞退できない
指定校推薦は「専願制」。一度出願し、合格した場合は必ずその大学に進学しなければなりません。
「やっぱり別の大学がよかった」「もう少し頑張れば上を狙えたかも」と後悔することもあります。
2. 高校内の選考に落ちることも
同じ大学・学部に複数の希望者が出た場合、高校内での選考(主に評定・人物)によって一人に絞られます。
評定が基準を満たしていても、選ばれないことがある点は要注意です。
3. 合格後に勉強へのモチベーションが下がる
早期合格によって「もう勉強しなくていいや」という空気になりがちですが、大学入学後に授業についていけなくなるケースが後を絶ちません。
4. 毎年同じ大学・学部から枠が来るとは限らない
「昨年指定校があったから、今年もある」ということは100%ではありません。
毎年枠の見直しがあるので、年度によって異なります。
実際、以下のようなことがあります。
- 昨年あった大学が、今年からなくなった
- 大学は同じだが、学部が変わった(減った)
- 条件が変わった
そのため、最新情報は必ず学校の先生に確認しましょう。
合格後の心構え:指定校推薦組こそ「学びの準備」を
指定校推薦で合格した人には、「選ばれた責任」と「学びへの意欲」が求められます。
- 高校の評判を背負って進学する
- 推薦枠は毎年見直されるため、後輩のためにも姿勢が大切
- 入学前に基礎学力や教養をつけておくことが大学生活の充実に繋がる
具体的には、大学で学ぶ分野の入門書を読む、英語や情報系のリテラシーを伸ばす、生活習慣を整えるといった「進学準備期間」として冬〜春を活用するのがおすすめです。
よくある質問(Q&A)
Q. 評定はいつ時点のものが使われますか?
A. 原則として高校3年の1学期(前期)終了時点までの評定平均が基準になります。
Q. 一般入試との併願はできますか?
A. 指定校推薦は専願のため、合格後の併願はできません。不合格になった場合は一般を受験できます。
Q. 面接はどんなことを聞かれますか?
A. 志望理由・高校生活で頑張ったこと・大学で学びたい内容など、基本的な質問が多いです。落ち着いて、自分の言葉で話せるよう練習しておきましょう。
まとめ:指定校推薦は「確実さ」と「責任」を両立させる入試
指定校推薦は、条件さえ整っていれば非常に有利な入試制度です。
しかし、「楽に入れる」ではなく、「選ばれた責任を果たす」入試であることを忘れてはいけません。
- 合格後の後悔を避けるため、将来の目標と照らして本当に進みたい進路かを再確認する
- 合格してからも、大学で活躍する準備を続ける
- 「進学がゴール」ではなく、「学びのスタート」であると意識する
そうした姿勢を持つことで、指定校推薦を自分らしく価値ある選択にすることができます。
第一志望の大学・学部が指定校推薦で来ている場合は、考えてみてはいかがでしょうか。
逆に志望校が決まっていない場合は、「本当にこの大学・学部でいいのか」とよく考えてみてください。