三者面談で「推薦も考えてみては」と言われたら——保護者さまが帰宅後に確認したい3つのこと
7月の三者面談シーズン、面談を終えたばかりの保護者さまから、こんなお問い合わせが届きます。
「先生から『推薦も考えてみては』と言われたんです。ただ、私たち親の世代の推薦のイメージと今の入試は違うようで、何から調べればいいのか……」
無理もありません。今の大学入試には総合型選抜・学校推薦型選抜(指定校・公募)と似た名前の方式が並び、仕組みも昔の「推薦」とは大きく変わっています。そして面談の限られた時間では、先生も詳細までは説明しきれません。
勧められるままに飛びつくのも、よく分からないからと聞き流すのも、どちらももったいない。今回は、面談で推薦を勧められたご家庭が帰宅後に確認したい3つのことを、順番にお伝えします。
そもそも、なぜ先生は推薦を勧めたのか
確認事項に入る前に、前提をひとつ。先生が推薦を勧めるのには、たいてい根拠があります。
学校の先生は、お子さまの評定平均を正確に把握しています。推薦系の入試には評定が出願条件になるものが多いため、「この評定なら出願資格がある」「校内選考に乗れる可能性がある」という手応えがあって初めて、面談の場で推薦の話が出ることが多いのです。つまり、勧められたこと自体が、選択肢を持っている証拠でもあります。
だからこそ、この提案は聞き流さずに検討する価値があります。ただし、飛びつく前に確認すべきことがあります。
確認1:先生の言う「推薦」は、どの推薦か
最初に、そして最も重要な確認です。ひとくちに推薦と言っても、中身はまったく違う3つの方式があります。
指定校推薦(大学が高校に枠を割り当てる方式・校内選考あり・原則専願)、公募制の学校推薦型選抜(評定などの条件を満たせば出願可・大学での選考あり)、そして総合型選抜(高校の推薦を前提とせず自分の意思で出願)。どの方式かによって、合格の確実性も、必要な準備も、他大学との併願可否も、まるで違います。
面談で先生がどの方式を念頭に話していたのか、あいまいなまま帰ってきたご家庭は少なくありません。次に先生と話す機会に、「指定校のお話でしょうか、それとも公募や総合型も含めてでしょうか」と確認してください。もし指定校の話なら、専願である点も含めて判断材料が変わります(指定校推薦の制度と注意点は、こちらの記事「指定校推薦のメリット・注意点」で解説しています)。
確認2:お子さま本人は、どう受け止めているか
2つ目は、家庭の中での確認です。
面談で先生に勧められると、保護者さまの側に「せっかくの話だから」というモードが生まれがちです。しかしここで思い出していただきたいのが、推薦系の入試は本人の意思を審査する入試だということです。志望理由書にも面接にも、「なぜこの大学で学びたいのか」を本人の言葉で語ることが求められます。親や先生に勧められたから、では書類の1行目から行き詰まります。
帰宅後にしていただきたいのは、説得ではなく質問です。「先生の話、どう思った?」「あの大学、興味ある?」——本人の反応が薄いのに外堀から埋めていくのは、遠回りに見えて一番の遠回りになります(この距離感については「推薦入試で親がやってはいけないこと」をご覧ください)。
逆に、本人が乗り気なら話は早い。次の確認3へ進んでください。
確認3:準備を始めるなら「いつから」になるかを逆算する
3つ目は、時間の確認です。ここが、この夏という時期の核心でもあります。
総合型選抜の出願は9月〜10月頭、学校推薦型選抜は11月。逆算すると、志望理由書や自己分析といった準備にまとまった時間を使えるのは、この夏休みが実質的に最後です。つまり「推薦も考えてみては」という7月の提案は、「考えるなら今すぐ動く必要がある提案」なのです。夏をはさんで秋に「やっぱり推薦にします」と決めても、準備の時間はほとんど残っていません。
夏に何をどの順番で進めるべきかは、夏スタートの記事にまとめてあります。面談で勧められたことをきっかけに親子で読んでいただくと、必要な作業の全体像がつかめるはずです。
判断がつかないときは、判断の材料集めから
3つの確認を終えても、「うちの子に向いているのか分からない」「一般入試一本の方がいいのでは」と迷うご家庭は多いと思います。それが普通です。方式の向き不向きは、評定・志望分野・本人の性格・これまでの経験の掛け算で決まるので、一般論では答えが出ません。
AIC推薦アカデミーでは、こうした「そもそも推薦を使うべきか」という段階のご相談からお受けしています。保護者さまだけでのご相談も可能ですので、面談で言われたことの意味を整理したい、うちの子の場合の選択肢を知りたい、という段階でお気軽にお問い合わせください。夏から準備を始める方向けには、7月開講の「夏からコース」もご用意しています。
まとめ:勧められた日が、いちばん動きやすい日
- 先生が勧めるのには根拠がある。聞き流さず検討する価値あり
- 確認1:指定校・公募・総合型のどれの話かを明確にする
- 確認2:親の説得ではなく、本人の気持ちを質問で確かめる
- 確認3:出願からの逆算で、準備できるのはこの夏が実質最後
- 迷ったら、判断そのものより先に「判断材料」を集める
三者面談の提案は、時間が経つほど家庭の中で風化していきます。「そういえば先生があんなこと言っていたね」と秋に思い出したときには、選択肢はもう狭まっています。勧められた直後ぐらいで、まず親子で一度話してみてください。
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