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2026.07.22

スタッフブログ

小論文が書けない高3生へ——「書けない」の正体は3タイプに分かれる

夏に入ると、志望理由書と並んでもう1つの相談が増えてきます。小論文です。

「志望校の入試に小論文があるんですが、学校で書いたことがほとんどなくて。過去問を見たら、何を書けばいいのか全然分かりませんでした」

無理もありません。小論文は、ほとんどの高校生にとって「習ったことがないのに、いきなり試験で課される」科目です。数学や英語と違って授業がなく、自分の実力がどのくらいかを測る模試もない。だから「書けない」という悩みは漠然としたまま、不安だけが膨らみます。

ただ、添削の現場から見ると、「書けない」の中身は実はきれいに3つのタイプに分かれます。そして、タイプごとに原因も処方箋も違います。自分がどれに当てはまるか、確かめながら読んでみてください。

大前提:そもそも小論文は「作文」ではない

3タイプの前に、前提をひとつだけ。

小論文と作文は別物です。作文は「感じたこと」を書く文章で、豊かな表現や感想が評価されます。小論文は「考えたこと」を書く文章で、評価されるのは主張と、それを支える根拠の説得力です。「楽しかった」「感動した」は作文の言葉であって、小論文には原則、出番がありません。

「書けない」と悩む人の多くは、この区別があいまいなまま、作文の延長で小論文に向かおうとしています。まずここを切り分けたうえで、3つのタイプを見ていきましょう。

タイプ1:「何を書けばいいか分からない」——意見が出てこない

過去問のテーマを前に、そもそも自分の意見が浮かばない。白紙のまま時間が過ぎるタイプです。

このタイプの原因は、文章力ではありません。テーマについて考えた経験がないことです。たとえば「地域医療の課題について論じなさい」と問われて書けないのは、書き方を知らないからではなく、地域医療について考えたことがないから。当然です。

処方箋は、志望分野のニュースや話題に日頃から触れて、「自分はどう思うか」を短くメモする習慣です。ただし注意してほしいのは、知識を網羅的に詰め込む必要はないということ。出題されるのは志望学部に関連する分野が中心なので、守備範囲は思っているより狭い。8月スタートの記事でもお伝えした通り、志望校の出題形式と頻出分野に絞るのが夏からの鉄則です。

ただし、一般選抜の過去問と違い小論文の過去問は大学のHPで公開されていないことや、著作権の都合で本文が掲載されていないことも多いです。
高校の進路指導室に先輩が受験したデータが残っているケースもあるので、高校にも相談してみてください。

タイプ2:「字数が埋まらない」——意見はあるのに膨らまない

言いたいことは一応ある。でも3行で終わってしまい、800字がとてつもなく遠い。これが2番目のタイプです。

原因は、主張を支える根拠と具体例の在庫不足です。小論文の字数の大半は、実は主張そのものではなく、「なぜそう言えるのか」の説明で埋まります。根拠が1つしかなければ、どれだけ言葉を飾っても文章は伸びません。

このタイプに必要なのは、書く前の設計です。主張を決めたら、根拠を複数出し、それぞれに具体例を添える——この骨組みを作ってから書き始めれば、字数はむしろ収まらないくらいになります。逆に、骨組みなしで1行目から書き始めるのは、志望理由書でお伝えした「材料出しの前に清書を始める」失敗(「志望理由が思いつかない」)と同じ構造です。

タイプ3:「書けているつもり」——実は一番危ないタイプ

最後は、本人に自覚がないタイプです。字数は埋まる。時間内に書き切れる。でも、評価される答案になっていない。

具体的には、主張が最初と最後で微妙にずれている、根拠のつもりの部分が感想になっている、問われたことではなく書きたいことを書いている——といった症状です。恐ろしいのは、これらはすべて自分では気づけないこと。書いた本人の頭の中では筋が通っているからです。

このタイプの処方箋は、残念ながら独学の中にはありません。第三者に読んでもらい、「ここ、論理が飛んでいるよ」と指摘される経験だけが、自分の癖を可視化してくれます。模試のない小論文では、添削が模試の代わりなのです。

3タイプに共通する、たった1つの上達ルート

タイプごとに原因は違いますが、上達のルートは実は1本に収束します。「書く→添削を受ける→書き直す」のサイクルを、どれだけ回せるかです。

タイプ1の人は、書いてみて初めて「考えの浅い部分」が特定されます。タイプ2の人は、添削で「根拠が足りない箇所」を指摘されて初めて設計を覚えます。タイプ3の人は、言うまでもなく添削そのものが処方箋です。夏スタート記事の対策4で「型を学ぶ→書く→添削」の順番をお伝えしましたが、この最後の「添削」だけは、どうしても一人で完結できません。

そして時間の話をすると、このサイクルは1周に思っている以上に時間がかかります。書いて、添削が返ってきて、指摘を消化して書き直す——夏休みは長いようで、回せる周回数は限られています。出願後の試験期から逆算すれば、始めるのが1週間遅れるごとに、回せる周回が減っていくと考えてください。

AIC推薦アカデミーの「夏からコース」では、小論文講座も開講しています。書いた答案への添削とフィードバックを軸に、あなたがどのタイプの「書けない」なのかの見立てから始めます。学校で習っていないのですから、書けないのは当たり前。ここから何周回すかだけが問題です。

まとめ:「書けない」は才能ではなく、タイプと周回数の問題

  • 小論文は作文ではない。評価されるのは主張と根拠の説得力
  • タイプ1「意見が出ない」→ 志望分野に絞った考えるストックづくり
  • タイプ2「字数が埋まらない」→ 書く前の骨組み設計
  • タイプ3「書けているつもり」→ 第三者の添削でしか気づけない
  • 上達ルートは1本:「書く→添削→書き直す」を夏に何周回せるか

自分がどのタイプなのか判断がつかない、という人も心配いりません。それを見立てるところが、私たちの仕事の最初の一歩です。まずは一度、書いたもの(なければ書けなかった過去問のテーマ)を持ってご相談ください。

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