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2026.08.07

スタッフブログ

文理選択、「得意な方」で決めていませんか——推薦入試から見た科目選択の話

高1の秋、多くの高校で文理選択の希望調査があります。用紙を前にして、こう考える人が大半ではないでしょうか。

「数学が苦手だから文系」「理科が好きだから理系」

もちろん、得意・不得意や好き嫌いは、選択の大切な軸です。3年間その科目と付き合うのですから、当然のことです。ただ、この選択にはもう一つ、見落とされがちな軸があります。総合型選抜・学校推薦型選抜という、これから先の入試の存在です。

今日は、推薦入試の視点から見たときに、文理選択・科目選択で知っておきたいことをお伝えします。まだ受験は先の話に感じるかもしれませんが、この選択は後から変えるのが難しいからこそ、今のうちに知っておく価値があります。

選択科目が「出願資格」になることがある

まず知っておいてほしい事実があります。大学・学部によっては、特定の科目を履修していることが出願の前提になっていることがあります。

たとえば理系の学部では、数学や理科の特定科目の履修が求められることがあります。文系だと思われがちな学部でも、データを扱う分野では数学が関わってきます。こうした条件は、高3になって志望校を決めてから「履修していなかった」と気づいても、もう取り返せません。

これは脅かしたいわけではありません。お伝えしたいのは、文理選択の前に「気になる学問分野が、どんな科目を必要とするか」を一度調べておくと安心だということです。具体的な要件は大学ごとに違うので、気になる分野があれば、その大学の学部情報を見てみてください(学部や学問の調べ方は「偏差値以外の視点で!自分に合う大学・学部を見つける方法」が参考になります)。

「文系・理系」の枠が、学問と合わなくなってきている

もう一つ、最近の傾向として知っておきたいことがあります。

学問の世界では、文系・理系という区分では割り切れない分野が増えています。データサイエンス、心理学、経済学、環境学——これらは「文系か理系か」と一言では言えません。心理学に興味があるのに「文系だから数学は捨てる」と決めてしまうと、統計を扱う心理学の道で苦労することがあります。

だからこそ、文理という大きな2択で考える前に、「自分は何に興味があるのか」を先に考える順番がおすすめです。興味のある分野が見えてくると、そこに必要な科目が自然と決まってきます。文理選択は、その結果として選ぶものです。

さらに、大学の中には、入学時に文系・理系や専攻を固定せず、幅広い分野を学んでから専門を決める「リベラルアーツ教育」を掲げるところもあります(国際基督教大学〈ICU〉や早稲田大学国際教養学部〈SILS〉、上智大学国際教養学部〈FLA〉などが知られています)。こうした大学では文理の枠にとらわれずに学べるため、「まだ一つに絞りきれない」という気持ちそのものを進路にできる選択肢もあるのです。

とはいえ、高1の段階で興味がはっきり定まっている人は多くありません。それはまったく問題なく、今は「決める」より「選択肢を狭めすぎない」ことを意識するだけで十分です。

推薦入試では、選択の「一貫性」が効いてくる

もう少し先の話もしておきます。

総合型選抜・学校推薦型選抜では、志望理由書や面接で「なぜこの学部で学びたいのか」を語ります。このとき、高1・2での選択が、志望理由の裏付けになることがあります。

たとえば「環境問題に関わる仕事がしたい」という志望理由を持つ生徒が、高2で理科を選択し、探究学習でも環境をテーマにしていたら、その志望理由には一本の芯が通って見えます。逆に、選択科目や高校生活での取り組みが志望分野とちぐはぐだと、「本当にやりたいことなのか」という印象を与えかねません(志望理由の一貫性については「夏にやるべき5つの対策」でも触れています)。

これは「推薦入試のために科目を選べ」という話ではありません。順番はあくまで興味が先です。ただ、興味に沿って選んだ科目や活動は、結果として数年後の自分の志望理由を支えてくれる——そのことを、選択の場面で少し思い出してもらえればと思います。

忘れてはいけない、評定平均のこと

科目選択と切り離せないのが、評定平均です。

学校推薦型選抜の多くは、高1からの評定平均を出願条件にします。文理選択で「得意な科目に寄せる」ことは、評定を安定させる意味でも理にかなっています。苦手科目だらけの選択をすると、成績が伸びず、後で出願の選択肢を狭めることになりかねません。

この評定は高3から慌てても動かせないので、高1・2の今から意識しておく価値があります(詳しくは「評定平均は『高3になってから』では手遅れ」をご覧ください)。

文理を問わず効いてくるのが「英語」

科目選択で文系・理系に分かれても、どちらに進んでも共通して重要な科目が一つあります。英語です。

「理系だから英語は後回し」「文系の自分には関係あるけど理系には…」と考える人がいますが、これは大きな誤解です。理系の研究も最新の情報は英語で書かれていますし、大学入学後に英語で書かれた論文や資料を読む場面は文理を問わず訪れます。

そして推薦入試の観点では、さらにはっきりした事実があります。英検®などの英語資格が、文系・理系を問わず、総合型選抜・学校推薦型選抜の出願条件や優遇の対象になる大学が年々増えています。つまり英語資格は、どんな学部を目指すことになっても無駄にならない、数少ない「先に固めておける武器」なのです。

しかも英語資格は、取りたいと思ったその日にすぐ取れるものではありません。目標の級に届くまでには時間がかかります。だからこそ、文理選択で悩んでいる高1・2の今この時期に、英語資格の勉強だけは先に進めておくのが得策です。高3の一番忙しい時期に英語資格の勉強を抱え込まずに済みます(いつまでに何級を目指せばいいかは「推薦入試のための英検®は『いつまでに・何級』?」にまとめています)。

AIC推薦アカデミーの英語資格対策講座(英検®準2級・2級・準1級/TOEFL®対策)は、高1・2から受講でき、入試から逆算した対策ができます。オンラインで全国から受講可能です。

保護者さまへ

文理選択は、ご家庭でも話題になる場面だと思います。「就職に有利だから理系に」といったアドバイスをされたくなることもあるかもしれません。

条件や情報を共有すること自体は大切です。ただ、推薦入試を視野に入れるなら、最終的に「何に興味があるか」は本人の中から出てくる必要があります。お子さまが自分で興味を言葉にできるよう、問いかける関わり方が、数年後の志望理由づくりにつながります(この距離感は「三者面談で『推薦も考えてみては』と言われたら」も参考になります)。

まとめ:文理選択は「得意」+「興味」+「その先」で

  • 選択科目が学部の出願資格に関わることがある。気になる分野の科目要件は先に調べる
  • 「文系・理系」で割り切れない学問が増えている。文理の前に「興味」を考える順番で
  • 文理を問わず英語は重要。英語資格は先に固めておける武器なので、高1・2の今から進める
  • 高1・2の選択は、数年後の志望理由の一貫性を支える材料になる
  • 評定平均の観点からも、得意を活かせる選択には意味がある

文理選択は、一度決めると簡単には戻せない選択です。だからこそ「得意な方」だけでなく、その選択がこの先どこにつながるのかを、一度立ち止まって考えてみてください。

AIC推薦アカデミーでは、高1・2の段階からの進路相談も個別にお受けしています。「まだ何に興味があるか分からない」「文理選択で迷っている」という段階こそ、一緒に整理するお手伝いができます。オンラインでの相談も可能です。

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