推薦入試、8月からで間に合う?——捨てる対策と残す対策の決め方
今日で7月が終わります。
夏休みが始まってから2週間ほど。評定や英検の結果が確定したり、懇談で推薦入試も勧められて総合型選抜や学校推薦型選抜の受験を決めた方も多いと思います。志望理由書は、何文字進んだでしょうか。「部活の引退までは無理だった」「オープンキャンパスには行った」「明日からやるつもりだった」——読みながら少し耳が痛い人ほど、この記事は今日読む価値があります。
毎年、8月に入ってからも推薦入試に関する相談が増えます。理由はそれぞれですが、聞かれることは1つです。
「8月からで、間に合いますか?」
答えは「間に合います。ただし、7月に始めた人と同じやり方では間に合いません」。
7月スタートの人には「やるべきことを全部やる」計画をおすすめしてきました(夏スタート記事)。しかし明日から始めるあなたに必要なのは、逆です。やることを削り、残ったものだけを確実にやり切ること。7月最後の今日は、その削り方と残し方を決める日にしてください。
前提:あなたの「残り時間」はどれか
まず、自分の持ち時間を確定させてください。同じ「8月スタート」でも、狙う方式で残り時間がまったく違います。
総合型選抜(9月〜10月頭出願)を狙う場合、出願まで実質1か月強。正直に言えば、かなりタイトです。ただし不可能ではありません。この記事の「削る戦略」が最も必要なのはこの人たちです。
学校推薦型選抜(11月出願)を狙う場合、実質3か月あります。焦る必要はありませんが、「まだ余裕がある」と初動が遅れると、7月スタートの人と同じ轍を9月に踏むだけです。8月に土台を作れるかで差がつきます。
自分がどちらなのか分からない、そもそも志望校が決まっていない——という人は、それを決めることが最初のタスクです。ここが未定のまま8月を過ごすことだけは避けてください。
最初の3日でやること:出願できるかの確認
削る話の前に、削ってはいけないものを1つ。志望校の募集要項の確認です。
評定平均の基準、英語資格の条件、併願可否、提出書類の種類と文字数。ここで出願資格を満たしていないことが判明すれば、対策計画そのものが変わります。8月スタートの人は、この確認を「最初の3日以内」に終えてください。7月スタートなら1〜2週間かけてじっくり調べる工程ですが、あなたにその時間はありません。
もし基準に届かない大学があっても、落ち込むのはまだ早い。総合型選抜には評定や資格の基準を設けない大学・学部も多くあります。「出願できる第一志望群」を3日で確定させることが、8月の初戦です。
削るもの3つ
持ち時間が確定したら、次は削る番です。8月スタートの人が抱え込みがちな3つを、意識的に手放してください。
1つ目:出願校を増やすこと。
「不安だから総合型で3校も4校も出したい」という相談を受けますが、志望理由書は1校ごとに別物です。使い回しは審査側に必ず見抜かれます(どの大学にも当てはまる書類の危険性は、こちらの記事で解説した通りです)。8月スタートなら、本命1校+多くて2校まで。数を絞ることは弱気ではなく、1校あたりの書類の質を守るための戦略です。
2つ目:完璧な初稿を書くこと。
「ちゃんと考えてから書き始めよう」と資料集めだけで1週間溶かすのが、8月スタートの典型的な失敗です。初稿は下手でいい。むしろ下手な初稿を早く出して、書き直しの回数を稼ぐことがすべてです。書けない場合、原因はたいてい書き方ではなく考え方の誤解にあります(「志望理由が思いつかない」)。
3つ目:小論文の網羅的な対策。
過去問を何年分も解き、あらゆるテーマに備える——時間があればやるべきですが、8月スタートには回りません。
志望校の出題形式(テーマ型か、課題文型か)だけ確認し、その形式に絞って「書く→添削→書き直す」を回してください。広く浅くより、出る形を深く、です。
一般選抜や教科科目型の推薦入試のように、総合型選抜や学校推薦型選抜の小論文は過去問が公開されていないことも多いです。
残すもの:毎日の2時間と、教科学習
削った時間で何をするか。答えはシンプルで、「志望理由書まわりの2時間」を毎日確保することに尽きます。自己分析、大学研究、初稿、書き直し——このかたまりを、頭がフレッシュな午前に固定してください。1日の時間割の組み方は、時間割モデルの記事がそのまま使えます。
そしてもう1つ、削ってはいけないのが教科学習です。時間がないからと完全に止めると、推薦がうまくいかなかった場合に戻る場所がなくなります。量は減らしても、ゼロにはしない。この原則は8月スタートでも変わりません。
8月スタートの唯一のアドバンテージ
最後に、励ましではなく事実として伝えたいことがあります。
8月スタートには、7月スタートにない利点が1つだけあります。迷っている時間が最初からないことです。
7月に始めた人の中には、選択肢が多いがゆえに「志望理由のテーマを変えようか」「出願校を増やそうか」と迷走し、気づけば書き直しが進んでいない人が一定数います。あなたにはその余地がない。やることが絞られているというのは、集中の条件が最初から揃っているということでもあります。
ただし、その集中を支えるには「今日は何をやるか」が毎日明確である必要があります。残り時間が少ないほど、計画の一日単位の精度が結果を左右します。何をどの順番でやるべきか、自分の状況で本当に間に合うのか——そこの見立てだけでも、一度プロに確認してください。8月の相談は「間に合うかどうか」を一緒に判断するところから始めます。間に合わせるための最短の道筋は、現在地が分かって初めて引けるものです。
なお、7月に開講した「夏からコース」の小論文講座と書類作成講座は8月からの途中参加も可能です。11月出願の学校推薦型選抜を目指す方は問題なく始められます。9月〜10月出願の総合型選抜を目指す方は、残り期間で受けられる授業回数が限られるため、現状を伺ったうえで最適な進め方をご相談させてください。
講座の特性上、8月いっぱいで募集を停止する予定です。
まとめ:8月は「絞った人」から間に合う
- まず自分の持ち時間を確定する(総合型=1か月強、学校推薦型=約3か月)
- 最初の3日で募集要項を確認し、「出願できる第一志望群」を固める
- 削るもの:出願校の数、完璧な初稿、小論文の網羅対策
- 残すもの:毎日の志望理由書2時間と、最低限の教科学習
- 8月の強みは「迷う余地がない」こと。日単位の計画で走り切る
カレンダーが変わる今日は、切り替えに一番向いている日です。「7月は動けなかった」で終わらせるか、「8月1日から始めた」と言える夏にするか。明日の朝を、初日にしてください。
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