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2026.08.03

スタッフブログ

E判定でも諦めない——推薦入試との併願で第一志望を狙う戦略

模試の判定は、A〜Eの5段階で返ってきます。多くの模試で、E判定は「合格可能率20%以下」。数字だけ見れば厳しい宣告です。夏の模試結果が返ってくるこの時期、その一枚の帳票を前に、志望校を下げるかどうかの家族会議が始まるご家庭は少なくありません。

ただ、その会議のテーブルに、一つ載っていない選択肢があることが多いのです。

第一志望を下げずに、受験の「ルート」を増やすという選択肢——つまり、一般入試に加えて総合型選抜・学校推薦型選抜を併願する道です。

この記事では、E判定を受け取った高3生とその保護者さまに向けて、推薦との併願を「組むべき人・組まない方がいい人」の判断基準と、8月から併願プランを立てる場合の考え方をお伝えします。

そもそもE判定は「何を」測っているのか

判断の前に、前提を一つだけ確認させてください。

模試の判定が測っているのは、その時点の学力試験の得点力です。それ以上でも以下でもありません。当日の教科試験で合格点を取れる確率の、現時点での予測値です。

一方、総合型選抜・学校推薦型選抜が測ろうとしているのは、志望理由の深さ、高校生活での経験と学びたいことの一貫性、書類と面接で示される思考力。模試では測定されていない領域です。

つまり「E判定だから推薦も無理」という推論は、実は成り立ちません。逆に「E判定でも推薦なら受かる」も同じくらい成り立ちません。測っているものが違うので、模試の判定は推薦入試の合格可能性について、ほとんど何も教えてくれないのです。

だからこそ、E判定を受け取ったときに考えるべきは「推薦に逃げるか」ではなく、「自分は推薦で評価される材料を持っているか」を、判定とは別の物差しで確かめることです。

なお、評定平均が低い場合の考え方は別の記事(「評定が低くても総合型選抜なら戦える?」)で扱っています。本記事は模試判定と併願設計の話に絞りますので、評定に不安がある方はあわせてお読みください。

判断軸1:出願資格を満たす「行き先」があるか

最初の物差しは、シンプルに事実確認です。

第一志望の大学・学部に、総合型選抜または学校推薦型選抜の募集があるか。あるなら、評定平均・英語資格などの出願基準を自分は満たしているか。募集要項を開いて確認してください(確認すべき項目は「夏スタートの記事」にまとめています)。

ここで大切なのは、第一志望に推薦系の募集がなくても、そこで終わりにしないことです。同じ学問分野を学べる大学まで視野を広げると、評定や資格の基準を設けない総合型選抜は少なくありません。「第一志望は一般で挑み続け、同系統の別大学を総合型で押さえる」という組み方も、立派な併願戦略です。

判断軸2:「なぜこの大学か」を語る材料の芽があるか

2つ目の物差しは、自分の中身の確認です。

推薦系の入試の核心は、志望理由です。部活動、探究学習、委員会、日常の関心事——これらと志望学部が一本の線でつながる「芽」があるかどうか。現時点で完成した志望理由である必要はまったくありません。掘り下げる材料があるかどうかです。

注意してほしいのは、この確認を「実績があるか」と読み替えないことです。輝かしい実績の有無ではなく、経験を掘れば語れることが出てきそうか。ここの見立ては自分では難しく、本人が「大したことない」と思っている経験に核が眠っていることもよくあります。迷う場合は、この見立て自体を相談してください。

判断軸3:一般の勉強を「減らせる余地」があるか

3つ目は、時間の物差しです。ここが一番シビアな確認になります。

併願とは、一般入試の勉強時間の一部を推薦対策に振り向けることです。E判定という現在地を考えると、教科学習を大きく削るわけにはいきません。目安として、推薦対策に充てられるのは1日2時間程度(この配分の根拠と時間割は「推薦と一般を両立する『夏休みの1日』」をご覧ください)。

逆に言えば、1日2時間を捻出できないほど教科学習が切迫しているなら、併願しない方がいい場合もあります。どっちつかずになって共倒れするのが、併願の一番悪い形だからです。ここは強がらず、現状の学習時間と伸びしろを冷静に見てください。

やってはいけない併願の組み方

判断軸を3つ見てきましたが、あわせて、毎年見かける危険なパターンにも触れておきます。

「受かりそうな大学」だけを推薦で受ける併願です。第一志望への気持ちは一般入試に置いたまま、行きたいかどうか分からない大学の総合型に出願する——この組み方は、たいてい書類の段階で行き詰まります。志望理由書は「なぜこの大学か」を書く書類なので、行きたい理由がない大学のものは書けないのです。書けたとしても、面接で必ず崩れます。

併願に組み込む大学は、合格したら進学してもいいと本心から思える大学まで。この線引きを守れるかどうかが、併願が「戦略」になるか「迷走」になるかの分かれ目です。

8月から組む場合のスケジュール感

3つの判断軸をクリアして併願を決めた場合、動き方は出願時期で変わります。9月〜10月頭出願の総合型選抜を狙うなら、残された時間はかなり限られており、やることを絞り込む必要があります。11月出願の学校推薦型選抜なら、まだ土台から積み上げる時間があります。この「削り方・残し方」は先週の記事(「推薦入試、8月からで間に合う?」)で詳しく書いた通りです。

どちらの場合も変わらない原則が一つ。一般入試の勉強を止めないことです。併願は一般を諦めることではありません。E判定からの挑戦だからこそ、ルートを増やしつつ、どのルートでも走り続けられる体制が要ります。

まとめ:判定が測っていないものに、賭ける価値はあるか

  • E判定が測っているのは現時点の得点力。推薦入試が見る領域は模試に映らない
  • 判断軸1:出願資格を満たす行き先があるか(第一志望以外にも視野を広げる)
  • 判断軸2:「なぜこの大学か」を掘り下げる材料の芽があるか
  • 判断軸3:1日2時間を捻出できるか。できないなら併願しない判断もある
  • 進学してもいいと思えない大学は併願に入れない

模試の帳票は、あなたの一部しか映していない鏡です。映っていない部分に評価される材料があるのかどうか——その見立てだけは、一人で決めずに確かめてみてください。

AIC推薦アカデミーでは、模試の結果と現在の状況を伺ったうえで、「そもそも併願すべきか」の判断からご相談をお受けしています。一般入試との両立を前提としたプラン設計は、鷗州塾を母体とする私たちが得意とするところです。

なお、7月に開講した「夏からコース」は8月からの途中参加も可能です。11月出願の学校推薦型選抜を目指す方は問題なく始められます。9月〜10月出願の総合型選抜を目指す方は、残り期間で受けられる授業回数が限られるため、現状を伺ったうえで最適な進め方をご相談させてください。

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