推薦入試は「勉強しなくていい入試」ではない——高1・2の保護者に知ってほしいこと
「学力試験だけで勝負するのは不安だから、推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)も考えたい」——高1・2のお子さまを持つ保護者さまから、こうした声を聞くことがあります。このとき、推薦入試を「勉強をあまりしなくても受けられる道」と捉えていることが少なくありません。
しかし、これは大きな誤解です。推薦入試は、勉強をしなくていい入試ではありません。むしろ、日々の勉強の積み重ねがそのまま結果に直結する入試です。今日は、高1・2の保護者さまに知っておいてほしい、推薦入試と勉強の関係についてお伝えします。
「推薦入試は勉強しなくていい」が誤解である理由
推薦入試で問われる力の多くは、日々の勉強で身につくものです。学力試験がないから勉強が要らない、という理解は、実態と大きくずれています。理由を3つに分けて説明します。
理由1:評定平均は、高1からの定期テストで決まる
学校推薦型選抜では、多くの大学が評定平均(高校の成績)を出願条件にします。この評定は、高1からの定期テストの積み重ねで決まるもので、高3になってから慌てても上げられません。
つまり、推薦入試を考えるなら、高1・2の定期テストの一つひとつが、すでに入試の一部です。「推薦だから勉強しなくていい」どころか、日々の授業と定期テストを大切にすることが、そのまま推薦入試の準備になります(詳しくは「評定平均は『高3になってから』では手遅れ」をご覧ください)。
理由2:小論文には、読解力と思考力が要る
推薦入試では、小論文が課されることがよくあります。小論文は、課題文を正確に読み取り、自分の考えを筋道立てて書く力が問われます。これは、国語をはじめとする日々の学習で培われる力そのものです。
付け焼き刃では書けるようにならず、文章を読む・考える・書くという勉強の蓄積がものを言います。学力試験とは形が違うだけで、学力が要らないわけではありません。
理由3:英語資格は、英語の勉強なしには取れない
英検®などの英語資格が、出願条件や優遇の対象になる大学が年々増えています。当然ですが、英語資格は英語を勉強しなければ取れません。しかも、取得には時間がかかるため、高1・2からの計画的な学習が必要です(いつまでに何級を目指すかは「推薦入試のための英検®は『いつまでに・何級』?」にまとめています)。
推薦入試と一般入試は、勉強の面でつながっている
「推薦にするなら、一般入試の勉強はしなくていい」というのも、よくある誤解です。
推薦入試は選抜試験なので、不合格になることがあります。そのとき、一般入試の勉強を止めていると、切り替えが間に合いません。逆に、日々の勉強を続けていれば、推薦がだめでも一般入試という道が残ります。評定・小論文・英語資格の力は、一般入試でも活きるものばかりです。
推薦と一般は、勉強の面で対立するものではなく、地続きです。どちらの道でも、日々の学習が土台になります(高3での両立の考え方は「推薦入試と一般入試を両立するための基本方針」で解説しています)。
高1・2の保護者に、家庭でできること
以上を踏まえると、高1・2の保護者さまが家庭でできることは、特別なことではありません。
日々の勉強と定期テストを、大切にする雰囲気をつくることです。「推薦だから勉強しなくていい」とお子さまが思ってしまうと、評定も、小論文の土台になる力も、英語資格も、すべて遠のきます。逆に、日々の学習を続けていれば、推薦・一般のどちらの道も開けたまま、高3を迎えられます。
そのうえで、お子さまが「何に興味があるか」を、日々の会話の中で聞いてみてください。推薦入試では、学力に加えて「なぜその大学で学びたいのか」も問われます。興味の芽を早くから意識しておくことが、高3での志望理由づくりにつながります(高1・2のうちにできる準備は「【高2の秋スタート】推薦入試は”1年前”が勝負」にまとめています)。
まとめ:推薦入試は、日々の勉強が土台になる
- 推薦入試は「勉強しなくていい入試」ではない。日々の勉強の積み重ねが結果に直結する
- 評定平均は高1からの定期テストで決まる(高3では手遅れ)
- 小論文には読解力・思考力、英語資格には英語の勉強が要る
- 推薦と一般は勉強の面で地続き。一般の勉強を止めると切り替えが間に合わない
- 家庭でできるのは、日々の勉強を大切にする雰囲気づくりと、興味を聞く会話
推薦入試は、学力試験を避けるための道ではありません。日々の勉強を大切にしてきた子ほど、推薦入試でも力を発揮できます。高1・2の今、勉強を続けることが、推薦・一般のどちらの道も開いておくことにつながります。
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