公募推薦型の学校推薦型選抜の準備、10月からで間に合う?——まず確認したい校内の締切と、総合型との違い
10月が近づくと、「学校推薦型選抜で受けたいのですが、今からでも間に合いますか」という相談が増えます。総合型選抜の結果を受けて方針を変える人もいれば、夏の間は一般入試と迷っていて、ここにきて推薦に決めた人もいます。
公募推薦型の学校推薦型選抜は、多くの大学で11月に出願が始まります。出願書類や試験の準備は、10月が山場です。ただし、この入試には学校長の推薦が必要で、そのための高校の校内手続きは、9月中に終わっていることが多くあります。10月から考え始めた人は、まずその確認から始めてください。今回は、11月出願に向けた公募推薦型の学校推薦型選抜の準備を、確認すべき順に整理します。
準備の前に:総合型選抜とは別の入試
最初に確認しておきたいのは、総合型選抜と公募推薦型の学校推薦型選抜は、別の入試だということです。
そして、大学・学部によって、実施している方式が違います。両方を実施している大学もあれば、どちらか一方だけの大学、学校推薦型は指定校推薦だけという大学もあります。同じ大学でも、学部によって違うことがあります。
そのため、「総合型でだめだったら、同じ大学の学校推薦型選抜で受け直せばいい」とは限りません。志望校にそもそもこの入試があるのか、まずそこから確認してください。
総合型選抜と比べると、公募推薦型の学校推薦型選抜には次のような特徴があります。
- 学校長の推薦:必要です(総合型選抜では不要)
- 評定平均の基準:設けられていることが多くあります
- 出願できる人数:1つの高校から出願できる人数に制限がある大学もあります
- 専願・併願:専願のものが多い一方、併願できる大学もあります
指定校推薦との違いも含めた方式の比較は、「指定校推薦と公募推薦、どっちを選ぶ?」で解説しています。
10月にやる公募推薦型の学校推薦型選抜の準備
1. まず、高校の校内手続きが間に合うかを確認する
この入試は学校長の推薦が必要なので、高校での手続きがあります。ここが総合型選抜との大きな違いです。
そして、その校内手続き(希望調査や校内選考)は、9月中に終わっている高校が多くあります。高校の校内締切は、大学の出願締切よりかなり早く設定されています。推薦書の作成には先生の時間も必要ですし、1つの高校から出願できる人数が限られている場合は、校内で調整が行われるためです。
10月に入ってから考え始めた人は、何よりも先に、担任の先生と進路指導部に「今からでも推薦を受けて出願できるか」を確認してください。校内のスケジュールは高校ごとに違うので、まだ受け付けている高校もあります。
校内の締切をすでに過ぎていた場合、その高校から推薦を受けて出願するのは難しくなります。その場合は、一般入試に軸足を移すのが現実的です。
11月以降に出願できる総合型選抜もありますが、数は多くありません。また、学校長の推薦が要らない方式でも、調査書の発行などで高校に伝えて手続きをしてもらう必要があることが多く、今から探して準備するのは簡単ではありません。
2. 出願資格と試験内容を、募集要項で確認する
校内の手続きに間に合うと分かったら、志望校の募集要項で次の点を確認します。
- 評定平均の基準、英語資格など出願資格の条件
- 専願か、併願できるか
- 出願期間と、書類の提出方法(郵送かWeb出願か)
- 試験の内容(小論文、面接、基礎学力テストなど)
出願資格を満たしていないと、どれだけ準備しても出願できません(出願要件の考え方は「経験を積んでも出願できない?——推薦入試の出願要件という落とし穴」をご覧ください)。出願要件は年度によって変わることがあるので、必ずその年度の募集要項で確認してください。
3. 志望理由書を、その大学に合わせて準備する
総合型選抜のために志望理由書を準備してきた人は、その内容を土台にできます。自己分析や、学びたいことの整理は、方式が変わっても活かせます。
ただし、書類をそのまま使い回すのは危険です。大学が違えば「なぜこの大学なのか」の中身が変わりますし、同じ大学でも方式によって書類の指定や字数が違うことがあります。大学名を入れ替えても成立する志望理由書は評価されません(その理由は「添削現場でよく見る『残念な志望理由書』3つのパターン」で解説しています)。出願する大学ごとに、募集要項の指定に合わせて作り直してください。
初めて志望理由書を書く人は、出願まで1か月ほどしかないことを前提に進めてください。自己分析から始めて、一人で書き上げるには時間が足りないことが多いです。まずは募集要項で、書類の字数と書くべき内容を確認します。そのうえで、「なぜこの分野を学びたいのか」「なぜこの大学なのか」を思いつくまま書き出し、下手でもいいので早く初稿を書き上げてください。志望理由書は、書き直しを重ねて仕上げる書類です。書き直しの回数を確保するためにも、書き出した段階で先生や塾に見てもらい、早めに手を借りることをおすすめします(志望理由が思い浮かばない人は「『志望理由が思いつかない』のは、あなたに中身がないからではない」も参考にしてください)。
4. 試験の対策を始める
この入試の試験は、小論文と面接が中心の大学が多く、基礎学力テストを課す大学もあります。出願書類を仕上げながら、並行して試験の対策も進めます。
小論文が課される場合は、本番の時間内に書き切る練習が必要です(書き方の手順は「推薦入試の小論文、本番でどう書く?」をご覧ください)。面接では、提出した志望理由書をもとに質問されるので、書いた内容に自分の言葉で答えられるようにしておきます。
5. 一般入試の勉強は止めない
不合格になる可能性はあります。推薦の準備に時間を取られても、一般入試の勉強は量を減らしてでも続けてください。推薦の結果が出てから一般入試までの時間は、長くありません。
総合型の結果を待っている人へ
総合型選抜の結果を待ちながら、公募推薦型の学校推薦型選抜も考えている場合は、次の3点を確認してください。
1つ目は、校内手続きの締切です。総合型選抜の結果が出てから考えようとしても、その時点で高校の校内手続きが終わっていることがあります。選択肢に入れるなら、結果を待たずに、今のうちに先生に確認しておいてください。
2つ目は、専願・併願の条件です。総合型選抜が専願で、合格したら入学しなければならない場合、もう一方の方式との組み合わせ方に制約が出ます。どちらの方式についても、募集要項で専願・併願の条件を確認してください。
3つ目は、日程です。総合型選抜の二次選考と、学校推薦型選抜の出願準備の時期が重なることがあります。両方の予定を書き出して、準備の時間が足りるかを確認しておきましょう。
まとめ:公募推薦型の学校推薦型選抜の準備は「確認」から
- 総合型選抜と公募推薦型の学校推薦型選抜は別の入試。大学・学部によって実施している方式が違うので、志望校にこの入試があるかをまず確認する
- 学校長の推薦が必要。校内手続きは9月中に終わっていることが多いので、まだ間に合うかを担任の先生と進路指導部にすぐ確認する
- 締切を過ぎていたら、一般入試に軸足を移すのが現実的
- 間に合う場合は、募集要項で出願資格・専願併願・出願期間・試験内容を確認し、志望理由書をその大学・方式に合わせて準備する。初めて書く人は、早く初稿を書いて先生や塾に見てもらう
- 試験対策を並行して進め、一般入試の勉強は止めない
10月から公募推薦型の学校推薦型選抜を考える場合、いちばん大切なのは、書類や試験の準備より先に、校内の手続きに間に合うかどうかを確かめることです。間に合うと分かれば、出願までの1か月で書類と試験の準備を進められます。まずは今日のうちに、先生に確認してみてください。
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